特別編:祭りの期間6
kentaxは祭りの期間の間、クロスフェードの街の警備を任されていた。剣闘師団の仕事に休みはない。とはいえ、休みみたいなものだ。民衆同士の小競り合いなんかはあっても、祭りの間にそれほど大きなことが起こることはない。
今回は無理矢理といえば無理矢理だが、よだかに王城の警備を丸投げしてきた。
「泡麦ひえは、自分で王を警備するって言ってたな。意識高いぜ、ほんとによ。」
kentaxは祭りにわく大通りをぶらりと歩いていた。
「うお、あれは。」
kentaxが見つけたのは、露店の服を物色している小金井ささらだった。kentaxはさっと身を隠し、様子を伺う。
「この生地でユキちゃんの服を作るの、どう思いますか?」
どうやら店員に話しかけているようだ。店員は困惑した笑顔を浮かべながら「良いと思います」と言っている。
「じゃあ、これ、頂きますね。ふふふ、ユキちゃんかわいい。」
腕に乗せた人形の髪をとかしながら笑っている。「こええええ。」とkentaxは心の中でツッコミを入れた。
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