アナザーストーリー:潜みし者4
眼鏡をかけた青年の姿に変わっている。姿を変えられるということは、これが本当の姿とは言えそうにない。
「何の……よう?」
そらうみれいは銃を構えて、夕立Pに狙いを定める。
「おやおや、そちらのエイさんはスナイパーでしたか。用と言いますか、なぜ海底ミコエル神殿を探っていたのか、少し興味がありましてね。」
夕立Pは銃を向けられても全く動じる様子はない。
「ごめん……つけられた。」
そらうみれいは春沢翔兎に謝罪した。
「いや、エイさんが姿を隠していたのを見抜いたこいつが凄いんだ。気にすんな。でもな、夕立Pさん、俺たちが理由をわざわざ話すと思うかい?」
春沢翔兎はいつでもスキルを発動できる態勢を整えている。まだ身体は万全ではないが、この狭い横穴なら、こちらの速度が有利だ。スライム種はそこまで早く動けない。
「お話頂けるなら、何事もなく終わるのですがね。それに、そちらのエイさん、海獣族にも関わらず、わざわざ姿を隠さなければならないご様子。見つかってはいけないと考えると、りは……。」