アナザーストーリー:次なる目的地3
「そこのエイさんの過去のことをお聞きしようかとも思ったのですが、先ほどの機械人形を見て少し思い当たることがありまして。聞かせて頂けませんか?『私と戦った青年』のことを。」
戦闘があったのは、ほんの数日前のことだ。
しかもあの場にいたのは、目の前に姿のある隊長と呼ばれていた毒使いを始め、数人だけ。いったいどこから夕立Pが情報を得たのか、春沢翔兎もそらうみれいも推し量ることはできなかった。
「不思議そうな顔をされますね。情報屋とはこういうものです。もちろん、代価はお支払いしますよ。まずは……これからですね。」
夕立Pがライチョー隊長Pの姿のまま、羽根を羽ばたかせると、いつのまにかそらうみれいが地面に落としていた魚が宙を舞った。
夕立Pは、先ほどと同じ眼鏡をかけた青年の姿に変化し、魚を右手に持つと、手から炎を出して焼き始めた。
「私の……仕事……。」
そらうみれいがポツリと言った一言はそのまま流されてしまった。