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泡麦ひえ団長が小金井ささらさんを褒めている。分身だったのだろうか、いつのまにかスキルで別れた小金井ささらたちの姿は消えていた。

「ユキちゃんのおかげです。」

そう言って、ユキちゃんの髪を撫でる。だんだん見慣れてきた。慣れって恐ろしい。

「それでは、行きましょう。」

泡麦ひえ団長が先導する。他の全員は転移になれているのか、特に何も変わった様子もなく歩き始めたが、俺は本当に転移なんてものができたのか信じられない。

光を浴びながら外に出る。目の前に広がるのは、先ほどまでいたはずの森とは全くことなる景色。

左には見通しの良い広々とした草原がある。少し先に小川のようなものがあり、橋だろうか、何かあるのが見える。

右を見てもたしかに草原はあるのだが、さらにその先に見えるものが俺の気を引いた。

それは大きく横に伸びた壁。一見して高さもそれなりにあることが分かる。中世の時代の城壁に酷似している。

「ドイルとか言ったな、転移は初めてか?ここはクロスフェードの東側にある転移のための場所なんだよ。」

俺の横からkentax団長が説明してくれた。

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