タダトモさんの説明を聞きながら、横道を抜けると、縦に長い通りに出た。大通りに比べて人は少ないが、花屋が見えたり、あれは雑貨店だろうか?先ほどよりも生活感が溢れている。
人が住んでいるのだろう、視点を上にやると窓の内側に花を飾っている家も見える。
一軒家は場所を取るから、こうやってマンションのようなところに住んでいる。わからなくもない理由だ。たしか、元いた世界ではヨーロッパの主要都市ではそんな家の作りになっていたはずだ。
「ユキちゃん専用の一軒家欲しい。」
家が欲しい理由がすごい。
「ささらさんたち、魔法師団の人も、この辺りに住んでいるんですか?」
俺は雑談がてら聞いてみることにした。
「魔法師団には詰所の近くに住む場所が提供されてる。団長、ユキちゃんと私もそこ。」
剣闘師団や魔法師団は住む場所も決まっているらしい。
「待遇がすごいですね。」
国を守る役職なのだからそのくらいは当然なのかもしれない。
「でも、夜に突然起こされたりするから、あまりよくない。」
ああ、有事の際というやつか。
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