アナザーストーリー:蜜柑と酒場と珈琲と10
「だからね、私はいつもこうするって決めてるの。愛はね、私の愛はね、思うままに振りかざして、壊してしまうものなのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
闇姫Pが顔に手を当てて、そのまま膝から崩れて落ちる。
はなぽはそれを見ていることしかできない。
「だから、だからね、はなぽさん。」
闇姫Pがゆっくり顔を上げて、はなぽのほうを見つめた。
「あなたにも私の愛をあげる。」
はなぽの記憶はそこで途絶えた。
後には沸き立ったお湯のボコボコという音だけが響いていた。
その日……
はなぽ、わんわんPは消息を絶った。
程なくして、クロスフェードの酒場ではしおまねきの耳にこんな噂が聞こえてきた。
夜の闇に紛れ、鋸を振りかざした蜜柑が襲ってくる……と。
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