シオコは首元に目立つ黄色の蝶ネクタイを両手でもって引っ張るような動作をする。
情報量が多すぎる。レミルメリカにはサーカスでもあるのか?
「しおこさん、できたぜ。」
marさんが、一枚のカードを手渡す。
「おお〜っ、ありがとうございます〜。これで、わたくしも正式に冒険者ですな。マイニューギアと叫びたくなりますねえ。」
ということは、そのカードは証明書みたいなものなのか。まて、そもそもマイニューギアって何だよ。
「冒険者の証ですか。おめでとうございます。」
タダトモさんが横から言葉を発した。しかも流してるし、マイニューギア。
「再発行には金がいるからな、無くすなよ、シオコさん。」
marさんからの注意をよそに、シオコ、ヒャクブンノイチPと名乗った男はニヤニヤと笑いながらカードを光に掲げたりしている。なんだか、とても楽しそうだ。
「お任せください!よぉし、旅に出るぞお。」
よく見れば、シオコさんの足元にはそこそこ大きなリュックサックが置かれている。このまま出発するのだろう。