「ありがとうございました。」
marさんは、また困ったことがあれば気軽に相談に乗ってくれるらしい。そして、開いたままになっていたドアから出ようとしたその時……
目の前に突然現れた一人の女性にぶつかってしまった。
「ごめんなさい!」
咄嗟のことで避けられなかった。わりと強くぶつかってしまった。
ぶつかった女性は…
「いえ、大丈夫です。」
バランスを崩した様子もなく平然と立っている。よく見れば、軽装ではあるが鎧をつけている。腰には軽く扱いやすそうな長剣。
俺をさっと避けてドアから中に入る時、後ろで括られたポニーテールが目に入った。立ち振る舞いから戦士とは少し違う気品を感じる。
たしかkentax団長は剣闘師団は男ばかりだと言っていた。ということは彼女は冒険者か何かなのだろうか。