お互いに突然の事件で少し疲れているが、ご飯を食べるタイミングを逃してしまったことで、開いている店がないかと探しに少しブラブラと歩いて帰ることになったのだ。
「そうですね。でも、襲われた時の記憶がほとんど無かったみたいで、あまり参考にならなかったですから。」
冒険者の話によれば、協会から数百メートル離れた路地に入った所で突然後ろから襲われたらしい。そして、逃げようとしたところ、何か壁のようなもので退路を断たれ、さらに切られたと言っていた。
「壁を作るようなスキルの使い手とか、土を操るスキルの使い手かもしれませんね。」
タダトモさんの言う通り、たしかにスキルを使えばわりと簡単に壁くらいなら作ることができる。
「はなぽさんの『クラフト』でも壁は作れていましたからね。」
マキエイさんやごーぶすさんとの戦闘でも壁を作っていたのを俺はこの目で見ている。
「壁を作るだけじゃ、スキルの特定は難しそうですね。犯人探しを引き受けたのはいいですけど、もっと情報がないとどうしようも……あ、そうだ。ドイルさん、あそこのお店なら開いてますよ。」
#ボカロ丼異世界ファンタジー