遠目でも確認できる明るく光るお店がある。
俺たちが見つけたのは酒場だった。
酒場「チャンネー」
店の前の看板にはそう書かれていた。
酒場の中には、この時間でもそれなりに人がいるようでガヤガヤとした雰囲気だった。ドアを開けて中に入ると右側にはバーカウンターのような席があり、左側には机と椅子がいくつか並べられている。
酒場の中央には光の玉のようなものが浮いている。酒場の灯りはあの光の玉で確保されているようだ。
酒場に入ると、すぐにカウンターの奥から一人の男性が話しかけて来た。
「いらっしゃい。おや、タダトモさんじゃないか、お久しぶり。」
バーテンダーだろうか。マドラーで手元のドリンクをステアしている。桃色の飲み物を混ぜる度に、氷のカラカラという音が聴こえてきそうだ。
「スペシャルカクテル『ナイトフィーバー』になります。」
バーテンダーの男はカウンターに座っているお客にグラスを差し出した。
「しおまねきさん、お久しぶりです。」