「又聞きにはなりますが、彼の代わりに私が少しだけお話ししまょうか。」
しおまねきさんがシェイカーに飲み物を入れていく。
「冒険者が襲われる事件が始めて起こったのはいつかご存知ですか?」
どうもしおまねきさんの雰囲気が少し変わった気がした。
「先ほど協会では、ここ数日と言われました。」
俺が答える。具体的な日にちは聞いていなかったはずだ。
「最初の冒険者襲撃が起こったのは、3日前、ここから数キロ離れた、ちょうどはなぽさんの家に行く途中の道を左に折れたところです。」
「マップ」を使わないと街の地図がよく分からないが、協会からは反対の方向になるのだろう。それに3日前か、俺たちがクロスフェードに帰ってきた日だ。
「最初に襲われた方は、ここ酒場にも来られたことがある冒険者さんでしたが、後ろから刃物で突然斬り付けられたそうです。夜だったので人通りは少なかったのですが、その時は偶然通りかかった人によって救助されました。」