「私は切身魚。学園の図書館で司書をしています。ドイルさん、中央の入り口から中へお進みください。」
この人が切身魚だったのか。俺が初めて「ボカロ丼」に入って挨拶文を投稿した時、「ボカロ丼」の簡単な説明をしてくれた人だ。たしか、仕事の愚痴を垂れ流した時には、見も知らぬ俺を心配してくれ、ダイレクトメールで話たこともあった。
「ありがとうございます。入学できたら是非よろしくお願いします。」
俺は頭を下げ、受付を離れた。後ろにはまだ大勢の人が待っているから早々に中に入るのが得策だろう。俺は言われた通り、中央の入り口へと向かった。コロッセオに似ているだけあって、天井はかなり高い。そして、少し暗い中央部分を歩きながら俺はタブレットを取り出した。入り口から入った瞬間に試験が始まらないとも限らない。ライトノベルならば、いきなり外に出た瞬間に敵が襲いかかって来て「油断はいけない」と言われてもおかしくない。俺はアイテムボックスを開く。
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大天使ミコエル契約書を使用します。
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