俺は転生者と言われハッとした。それにライチョー隊長Pと俺が戦ったことを知っている。そう、俺はライチョー隊長Pを倒してはいない。暴走を抑えただけだ。しかし、どうしてそれを?まさか、越黒リタは……。
驚いている俺の手をスッと離し、越黒リタは離れていった。闇姫P?まさか、ボカロ丼にいた関係者なのか?考えている内に受験生たちの間を器用にすり抜け、越黒リタは姿を消した。あのプレッシャーもすでに感じなくなっている。いったいさっきのはなんだったんだ……。不安を感じている俺のことなど関係なく、競り上がってきた地面の台の上にはいつの間にか一人の男が立っていた。
「受験生の諸君、おはよう。本日の試験監督の一人を務める顧問Pだ。合格者とは授業で会うことになるだろう。早速だが、今から試験内容を発表する。」
顧問Pか。ガッチリした体格で、眼鏡をかけた真面目そうな男性だ。ちなみに、話し方のイントネーションに関西弁が混じっているような気がする。ボカロ丼で見たことがある人で間違いないだろう。
そして、受験生たちの緊張が高まる中、顧問Pは右手を上げた。
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