おや?この丸印、速度は速くないが、まっすぐこちらに向かってきている。俺のいる場所が分かっているのだろうか?
俺は木の影に一応隠れて様子を見る。残り2つの丸が動いていない以上、まずは仲間なら合流するべきだろう。
緑の丸印が近づいてきた。先ほどまで俺が立っていた場所の横にあった木々の間から一人の女の子が顔を見せた。ショートカットの髪の毛が印象的だ。周りをキョロキョロと見渡しているようなので、どうやら俺の存在には気がついていないようだ。
俺は大天使ミコエルの契約書の力をすでに発動している。この状態ならいきなり襲われても問題ない。それなら……
「『ステータス』」
俺は目の前の女の子の能力を確認する。
文月莉音
種族:獣人
レベル:16
固有スキル:羆殺し
経験値:147258
体力:500
魔力:124
攻撃:700
防御:350
敏捷:502
状態:冬眠LV2、腕力強化LV2
獣人族の女の子だった。見た目では獣人族だと分からなかった。誰もが動物の姿をしているわけではないようだ。
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