「見た目では分からないかもですけど、私は人族と獣人族のハーフです。獣人族の血が濃いみたいで、魔法はあんまり得意じゃないです。」
ハーフになると獣人族でもこうなるのかもしれない。スキルも「羆殺し」だからパワータイプで間違いないだろう。このステータスだと、運営神TOMOKI++の契約書の力には全く及ばないだろうけど。
「でも、来世は筋肉ムキムキになりたいのでパワーには自信ありますよ!」
ムンッと力瘤を出すポーズを取る。いや、そんなに力があるようには見えないけどな。
「近接戦闘では期待してますね。」
とは言ってみたものの、どうなるか分からない。俺一人で敵を屠る可能性も視野に入れておかないと。
「莉音さん、たぶんあと何人か仲間がいるみたいですし、まずは皆さんと合流しませんか?」
俺は「マップ」上で、近くにいた他の丸印が少しずつ動いているのを確認していた。残りの二人も仲間を探すために動き始めたのだろう。それに、10キロ圏内に……おそらくあの動物もいる。