「ささらさん、場所と動物の種類は分かりますか?」
俺は自分のサーチの情報と照らし合わせるために質問した。
「北に480メートル。たぶん、例の鹿。」
近づいている。俺のサーチでは正確な距離までは測定できていないが概ね間違えてはいないだろう。鹿だったか。
「え?鹿、もう見つけたんですか?」
かいなが驚きの声を上げた。
「ユキちゃんが見つけた。行くよ。」
小金井ささらは腕に乗せたユキちゃんに話しかけると、迷いもなく真っ直ぐ歩き始めた。俺たちも後に続く。
「作戦とかどうするんですか?」
文月莉音が歩きながら誰とはなしに話しかける。小金井ささらが先頭、次がかいな、文月莉音と続き、俺が殿を勤めている。
「相手は大きいから魔法は当てやすい。本当は動きを止めてから一斉攻撃が常套手段。」
小金井ささらは淡々と答える。魔法師団だけあって、戦い方は心得ているようだ。