これだけの数で撃ち込めば物量で押し込める気もするが、魔法師団で戦闘経験も豊富な小金井ささらが言うなら、そこは間違い無いのだろう。
「てことは、鹿が襲ってきますよね?」
かいなは俺が先ほど渡した罠をギュッと握った。かいなと文月莉音は金具とワイヤーで罠を仕掛けることになっているが、これほどの大きさの相手に罠が通用するのだろうか。
「足止めだけでもできれば、あとは私が。」
文月莉音が少し自信なさげに拳を握る。近接戦闘ならば彼女が担当するべきだと言うことなのだろう。TOMOKI++の契約書を使えば問題なく解決なのだが、ここは言わぬが華というものだ。
「後詰めは俺に任せてください。」
俺はあえて最後に鹿に突っ込む役目をかってでた。何かあっても、契約書の力があればなんとかなると信じていたからだ。
「いくよ。」
小金井ささらが動き出した。
小金井ささらは鹿の周囲を取り囲むように静かに移動する。
かいなと文月莉音も罠を手に移動、周りには護衛とも言わんばかりに3人の小金井ささらが付いている。
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