ブルフッウウウ
鹿には効いていないように見える。それどころは、鹿は足元の氷を蹴り剥がし、攻撃を仕掛けてきたかいなの方に向き直った。
ゴッゴッゴッ
凍った地面を蹴る音が響く。
「突っ込んでくるぞ!」
俺はかいなと文月莉音のいる方向へ叫んだ。
ほぼ同時に鹿は巨大な角を震わせながら二人の方は走る。
「『羆殺し』」
文月莉音のスキルが発動する。特に変わった様子は見られないが、文月莉音は突撃してくる鹿の眼前に立った。
「おおおおおりゃああああああ!」
気合いの入った声と共に文月莉音が鹿の角を掴んだ。余りにも大きな体格差。それにも関わらず、鹿の突撃は止まってしまった。
すげえ。
俺は密かにステータスを確認する。
文月莉音
種族:獣人
レベル:16
固有スキル:羆殺し
経験値:147258
体力:500
魔力:124
攻撃:700(+300)
防御:350
敏捷:502
状態:冬眠LV2、腕力強化LV2
おお、攻撃が上がっている。
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