本編
「おや?」
俺の頭の中に"メッセージ"が届く。小金井ささらからだ。
「皮膚の硬質化、角からの雷。完全に魔法を使ってる。」
的確な分析だ。
「も、もしかして魔獣ですか?」
かいなの声だ。どうやらオープンな回線になっているようだ。
「ううん。魔獣じゃない。理性がある。」
小金井ささらの言うことが正しいなら……
「動物も自然に魔法が使えるようになるってこと?」
俺の転生前の世界では考えられない。
「希少種……ですかね。」
これは文月莉音だ。
希少種。いわゆるレアな動物か。
「たぶんそう。見るのは初めてだけど。」
小金井ささらは魔法師団だ。魔法師団の若手とは言っても、その経験は段違い。それでも見たことがないとなると。
「でも、魔獣と変わらなくないですか?」
かいながそう指摘する。
いや、おそらくそれは……
「魔獣とはちがう。魔獣は本能のままに暴れる。だから魔法を乱発したり、動きも短調になりがち。」
小金井ささらの指摘通りだ。
#ボカロ丼異世界ファンタジー