本編
「ライチョー隊長Pって、あの草原の護り手を?」
「まさか、噂に聞いた"成レ果テ"を止めた人が?」
おいおい、そこまで有名なのかよ。あの戦いのことは、そんなに大勢が知っているはずはないのだが。
「はぁ、一応、その人です。」
ため息混じりの声になってしまう。
「そ、そんな人なら任せても大丈夫かもしれませんね。」
「私じゃ足手まといになりそう。」
二人が速攻で納得していることには違和感を感じざるを得ないが、ここは仕方ない。
「ささらさん。授業参観でアイツの気をそらしてください。俺が……アイツの正面に立ちます。」
そして、俺は動き出した。
動きながら再び契約書を発動する。
"運営神TOMOKI++の契約書"
俺が移動している間に、小金井ささらも"授業参観"を発動したようだ。俺の行く先とは反対側に数人の小金井ささらを目視できる。このまま行けば魔法を撃ち込んで鹿の気を逸らしてくれるはずだ。
文月莉音とかいなは、おそらく動いていない。
「まだ使ったことないんだけど……。」
俺は魔法を唱える。
「"The Rhythm to Realize"」