アナザーストーリー:呪詛師の力11
「毒はなくなりましたが、しばらくは安静に越したことはありません。明日には歩けるようになるでしょうがね。」
金星伊津可は少し怪しい笑いを浮かべながらも、春沢翔兎を見つめている。どうやら助けられたことを良かったと思ってくれているようだ。
「団長、金星伊津可さん、出立しましょう。このペースならあと数日でクロスフェードに
着くはずです。」
one my self に促されてkentaxと金星伊津可はそらうみれいに別れを告げた。
去っていく剣闘師団と魔法師団を見送りながら、そらうみれいは思う。
「銃、見つからなかった。」
グモォォォという音ともにそらうみれいの口の中から銃が現れた。
「バレたら、殺す。」
そう言って、そらうみれいはまだ眠ったままの春沢翔兎を抱いて、スキルを発動した。
これは、セレスティア草原で起こった偶然の邂逅。この出会いが、吉と出るか凶と出るか。今まだ運命だけが知っている。